ボイトレ日記

10年以上私のレッスンに通ってくださっている生徒さん

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10年以上私のレッスンに通ってくださっている生徒さんがママになり、現在は赤ちゃんと一緒に通ってくださっています。

出会った時は、彼女は大学生。一緒に様々な人生経験を共有してきた大切な生徒さんのお一人です。

私もまだ一般的なボイトレを教えていて、フースラー発声にはたどり着いていませんでした。

彼女の故郷にもお邪魔しました。吹雪吹く漁師町を案内してくれたね!大切な思い出です。彼女が小学生だった頃、小学校からの帰り道でサザエ売りのおばあちゃんに「ほれ、食べていきな」といつもおやつにサザエをもらっていた話、大好きです。

田舎の閉鎖的で嫌な面、良い面。葛藤を消化しながら、おおらかに前向きに歩んできましたね!何より、赤ちゃんが、おおらか!

彼女とレッスンしていると、本当にフースラー発声に出会ってよかったとしみじみ思います。どんな声も、宝。こうでなくてはいけないという排他的思想ではないので、自由です。

こうでなくてはいけないという枠組みの中にいると、「赤ちゃんの泣く声は、うるさい、黙らせろ〜」的思考になるけど、「この泣き声こそ、理性なき野生の解放!人間の発声の原理!いっぱい泣いて元気な肺を育ててね!」的思考でみたら、本当にそう聞こえてくるんです。

電車の中で、ぎゃーぎゃー赤ちゃんが泣いていると「嫌な顔をする大人は気にせず、泣いたっていいんだよ~!泣くのが仕事!ママたちも負けるな~!」って念を飛ばしている私がいます(笑)

「ちっ」とか舌打ちしているおじさんとかいると、「あなたは赤ちゃんの時泣かなかったのですか~?!」とお呼び出しして、懇々と声の野生についてお話ししたいくらいです(笑)

レッスンでは、ママが七色の声をどんなに大きく出しても、驚かないで、一緒になってキャッキャ!喜ぶチビMちゃん。出産時も、ホーミーを聴いて分娩に臨んだもんね!

いつの日か、「日本の電車内では、泣いている赤ちゃんを微笑ましく見守る大人たちばかり!」なんて記事が海外に発信される日が来たら、どんなに素晴らしいことでしょう~!

「声を美しく出しましょう」の概念ではなく、「あなたの中に眠る抑制された声を色々なタイプの声を出して解放してみましょう」の概念を教育の中で発信してあげられたら、そんな日が来ることは夢ではない気がしています。

子育て支援もいいけれど、声の概念を教育現場から変えていったら、予算かからず、ガラッと子育てしやすい現場に変えていけます。

明治以降に確立してしまった悪しき慣習「ヨーロッパ芸術音楽至上主義」から、そろそろ脱皮しないと。

「美しい声を出しましょう」=「西洋古典的な声のみが良い発声」というこの悪しき慣習思想が教育現場にある限り、それ以外の歌声や声はダメなものという偏見が根付いてしまうのです。

「美しい声を出しましょう」的発想がどれだけの人を傷つけ、これこそが偏見の植え付けだと早く気づいてくだしゃーい!!!ほ!ん!と!う!に!!!

世界は広いよ!色々な芸能や歌声があるよ!どれもすごいよ!色々な文化をリスペクトしあおうよ!
そんな音楽教育現場だったら、先生も子供たちも楽しいし、声に要らぬ劣等感を持ってしまう人がいなくなるはずです。

その地平に立ってこそ、初めて、日本の伝統文化や伝統芸能を教育に取り入れる意義や意味も出て来ると思うのです。