ボイトレ日記

フースラーメソードは奇妙な声を出す?!

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従来のボイストレーニングの印象といえば、
「綺麗な声」で「♪ハ~ハ~ハ~ハ~ハ~♪」の様な感じだとおもいます。

梵声先生の「最高の声を手に入れるボイストレーニング フースラーメソード入門」のDVDをご覧になり、うわ!随分従来の発声方法とは違う、奇妙な声が沢山入っている!と感じられる方もいらっしゃるようですね。

フースラーメソードは、実に生理学的に発声を捉えているので、感覚でものを言いません(例えば、支えを感じてとか、音を回してとか)。

文明社会において、忘れ去られた声たちのことを、武田梵声先生はブログなどで”抹殺された声”と述べられています。

抹殺された声とはどう言うことでしょうか。
わかりやすい例で私なりに簡単に解説すると…。

大声で泣く赤ちゃん

赤ちゃんは、近所迷惑を考えて音量を落として泣いたり笑ったりしません。
本能のままに喉をフル活用して泣き笑いします。

決して、声楽的に言う「綺麗な声」では泣かないのです。響きを回そうとか、横隔膜を使おうとか、支えて声を出そうとか思っていません。

なのに、と言うか、だから、あのボリュームで泣きます。最高の声量です。

物心がつき、言葉を喋る様になると、分別がついてきますから、赤ちゃん時代の様に喉をフル活用して泣き笑いすることなくなります。「静かにしなさいね」「迷惑かけちゃダメよ」・・・。声が、確かに抑制されていきます。

フースラーメソードは、喜怒哀楽を表現する際、私たちが自然に出す声たちを原始的な発声の動きと捉えて訓練していきますから、実は、全くもって奇妙な声などではないのです。

その声たちを奇妙と感じてしまうくらい、声を出すことを抑圧された文明社会に私達は身を置いているということですね。
言ってみれば、声を出す機能に関しては、全く退化の一途をたどって成長していくと言うことです。

抹殺された声と言われるとちょっと過激に聞こえますが、”文明社会によって抹殺された声’’こそが現代社会に生きる私たちの声域拡大に必要、と言えば、少しは聞こえが和らぐでしょうか?

赤ちゃんの時は、誰もがフルボリュームで声量を出していたわけです。
赤ちゃんの時はできたのに、理性や言語獲得と引き換えに、喉をフルに使う機能を私たちは、眠らせました。

フースラーメソードは、その眠った機能を目覚めさせてあげよう、と言っているだけで、取って付けていたずらに奇妙な声を出しているわけでは無いのです。